2023年6月18日 はつかいち縦断みやじま国際パワートライアスロン大会2023FINAL

イベント情報,活動報告

 

2023年6月18日、「はつかいち縦断みやじま国際パワートライアスロン大会2023FINAL」が開催されました。競技者は文字通り鉄人。常人には考えられない体力・気力の持ち主で、めったにいないと誰もが思っています。でもトライアスロンに参加している人は意外に身近にいたりします。今年が最後となった大会で、地御前の人の縁が取り持ってできたチームの参加がありました。リレー部門で参加されたスイム:三浦さん、バイク(自転車):渡辺さん、ラン:川本さんです。このお三方を通じて、長年にわたって地元で行われてきたトライアスロン大会がどのようなものだったのかに触れる機会がありました。

 

「はつかいち縦断みやじま国際パワートライアスロン大会」は市制施行20年を迎えた平成19年(2007年)6月に初めて開催され、令和5年の最終開催を含めて14回行われました。

 

開催に当たって毎回、地元のあらゆる団体にボランティア要請があり、選手たちを大勢の地元市民がサポートしてきました。地御前でも自治会や小・中学校PTAなどの様々な組織を通じで大勢のボランティアが募られて大会を支えてきました。

 

毎年ボランティア協力をしてきた三浦さんは、最後のトライアスロン大会ということで、今年は競技に是非参加したいと思っていました。一方、三景園に在住の川本さんは過去6回、はつかいち縦断みやじま国際パワートライアスロン大会に参加していました。川本さんは、スイムの練習に行っているプールで三浦さんが監視員をしていて、知り合いでした。三浦さんの思いを聞いて「リレーチームが作れたら三浦さんがトライアスロンに参加できる」ということになりました。そこで自治会の向さんを通じて渡辺さんがバイクでチームに参加することになりました。こうしてトライアスロン大会リレー部門に参加する「チームYUKA廿日市地御前」が結成されました。

 

三浦さんは、宮島の鳥居付近をスタートして対岸まで泳ぐ例年通りのコースを楽しみにしていました。ですが今年は安芸グランドホテル桟橋をスタートし大野瀬戸を1.5km泳ぐ周回コースとなり、ちょっとガッカリしました。それでも1.5kmという距離と潮流、6月中旬という時期に海での水泳競技に参加できる機会は貴重な体験になりました。全種目参加の競技者はトランジッションエリアで着替えるなどの身支度をして出発する必要があるのですが、リレー部門は次の競技者にリストバンドを渡すのみ。このリストバンドにICチップが付いていて、自動的にタイムが記録される仕組みです。

 

トランジッションエリアの中国新聞ちゅーぴーパークから次はバイクの渡辺さんがスタートしました。渡辺さんはしまなみ海道のサイクリング・イベントなどへの参加経験はありましたが、本格的な自転車競技大会への参加は初心者でした。その心理からピチピチのバイク・コスチュームのようなガチなスタイルは恥ずかしいと思い、いわゆる普通の運動に適した衣服で参加しました。しかしこれが逆に競技者の中で一番目立ってしまった(笑)と振り返ります。バイクコースのゴール(ランへのトランジッションエリア)は吉和魅惑の里でした。距離55km、高度850mは屈指のハード・コース。沿道の声援はありがたいものですが、このハードさ故に声援に応える余裕や気力はさすがに序盤で無くなるようです。沿道にある佐伯高校は全校生徒が応援に駆り出されるそうです。エイドステーションで飲み物を一人でも多くの選手に渡そうと頑張る姿、メンバー表を見ながら名前を呼んで応援する姿、ボランティアで係わる人たちにはこういった一体になる体験が報酬のひとつなのだと思います。

 

そこからランの川本さんがスタート。魅惑の里からもみのき森林公園で折り返し、ゴールの女鹿平まで20kmもアップダウンが続くハード・コースです。川本さんは69歳。そもそもはスイム・バイク・ランを一人でこなしてトライアスロン競技に参加してきた方ですから、常人ではないと私は思います。私には車を使ってレジャーで向かう時でさえ二の足を踏む距離を、自力で挑むという衝撃的な体験談。でもご本人は、自分の好きなことをやっているだけと。私は応援をする立場ではなく、逆に「好きなことはあきらめないで」と応援されているような気持になりました。

 

自分の常識では考えられないレベルのことを普通にやっている人に身近なところで接すると、自分もやれば何か今までの常識を超えられるのではないかという気持ちになります。このような「やる気」や「好きなこと」は身近な人とのつながりに影響を受け、何歳になってもこの「やる気」「好きなこと」をあちこちで拾って、積み重ね、死ぬまで自分の理想を書き換えながらそれに近づいてゆくことが大事だなあと改めて思います。