8月15日 地御前盆踊り

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地御前盆踊り

8月15日、5年ぶりに地御前盆踊りが開かれた。朝8時に地御前市民センターに地御前郷土文化保存会を中心に有志が集まり、櫓を建てたり出店のためのテントを立てた。久しぶりの櫓建ては半ば手探り状態。「船頭多くして船山に登る」の様相を呈しながらも、それもまた楽し。笑顔や笑い声の絶えない作業となった。PTAや自治会、消防団の繋がりで、30代から50代の男性もいたが、半分くらいは60代後半から80台前半の方々。しかし確実にみな実年齢より10歳若いバイタリティーを発揮している。どこからこのパワーが湧いてくるのかいつも驚かされるばかり。こんなふうに私も歳をとりたいという憧れを感じずにはいられない。だが仲間があればこそのこんな歳の取り方なのだと、今回はハッキリと気付かされた。

大太鼓、提灯、椅子・机、音響設備などの設置までが一段落したのは11時過ぎだった。一旦帰ってまた4時から、今度は女性陣も含めて出店の飲食の支度などで集まるということだった。凄いとしか言いようがない。

出店は全てシニアクラブや地御前郷土文化保存会の皆さんによるボランティアで運営され、くじ引き(スーパーボールなど)、かき氷、ビールやジュース、フランクフルト、ポップコーンなどが提供された。

6時に開会行事が始まり、松本廿日市市長の挨拶があった。市政の基本は地域活動にあり、地御前の活気ある地域活動への謝意が述べられた。次にハッピーオレンジのダンス、駆流舞のロックソーランが披露され、いよいよ盆踊りがスタートした。ズンドコ節、廿日市音頭、炭坑節で30分程度、櫓を囲んで踊った。

それから休憩を挟んで、いよいよ民謡の生演奏での地御前盆踊り突入となった。大太鼓、笛、三味線にあわせて「進徳丸」「宮島八景」が朗々と唄われ、昔ながらの振り付けで老若男女が踊った。踊りながら櫓の周りを回る回数が増えるにつれて、皆んなの笑顔も開放的になってゆく。

前回の盆踊りでは輪に加わって踊りながら、昔の人たちの暮らしに思いを馳せた。今回は浴衣姿で三味線を弾きながら、櫓の上からみんなの踊りを眺めながら、空の上から私たちを見ている先祖の気持ちに思いを馳せた。

盆踊りは、迎えたご先祖様の霊をお送りするためのもの。どんな気持ちでご先祖様は見ているのだろう。この踊りは、皆が仲良く助け合い、楽しく過ごしていることをご先祖様に伝えるために踊っているのだなぁと思った。それを見てご先祖様の霊は慰められ、送られてゆくのだと思う。でもそんな意味とか意義とか、押し付けがましいことなどは何も無い。それでもお盆や盆踊りが続いていることや、皆んなが協力しているところに本当の信心がある気がする。

近畿地方を北上する台風の影響で夜8時過ぎについに雨が降り出し、急遽、踊りを終えなければならなくなった。しかし、こんなに汗を流しながらぶっ通しで演奏したことは今まで経験が無く、演奏する側も踊る側も限界だったので、実はちょうど良かったのかもしれない。8時半に盆踊りが終わった後、櫓や設備の後片付けを含め、こんなに汗を流したのは何年ぶりか分からない。家に帰ってシャワーを浴びて一段落していたら、何度もこむら返りが出るくらいの軽い脱水症状があった。

5年ぶりの開催で、私が三味線を盆踊りで弾くのは初めてだったが、全部が期待を遥かに上回る体験だった。これを書いていても感謝の気持ちで地御前郷土文化保存会、シニアクラブ、市民センターほか大勢の顔が浮かんでくる。皆さん、先祖の皆さん、ありがとうございます。