地御前のとんど祭り

活動報告,郷土文化保存会

とんど祭り

1月12日(日)当日の午前9時から竹の切り出しが始まり、地御前小学校の児童の書き初めをくくりつけ、その竹を立ててやぐらを組んだ。11時半ごろから正月飾りがどんどん持ち込まれてやぐらに入れられた。焼き牡蠣やぜんざいの調理場も準備し、とんど祭りが開催された。

12時丁度に年男・年女の方々によって点火された。火は一気に大きくなり、5分程度で最も炎が大きくなって中央に立てた3本の竹が倒れた。点火から20分程度で炎は2〜3メートル程度の高さに落ち着いた。

12時から約1時間ちょっとで、焼き牡蠣600個以上、ぜんざい約250杯、日本酒やビールが振舞われた。地御前郷土文化保存会が材料を購入して、漁協、自治会、自主防災会ほかの方々が協力してそれらを来場者に提供した。

また、やぐらの燃えた炭を利用して、持参した網を使って餅を焼き、いろんな家族が周りで歓談をして楽しんでいた。時折強く風が吹いたが、陽射しが暖かくて天候に恵まれたこともあり、最終的には約600人が来場した。

堀集会所から運び込んだテーブルや椅子、自主防災の調理器具などの片付けが終わり、午後3時過ぎに解散となった。その後もしばらく燃え残りの炭を均して暖を取りながら、大きな伝統行事を終えてようやくホッと胸を撫で下ろしていた郷土文化保存会の磯邉さんや美川さんから、少年時代の体験談、昔の地御前の話を楽しく伺うことができた。

地御前の浜は遠浅で、昔は浜でとんどをしていたとのこと。砂浜は掘りやすいのでヤグラも立てやすく、とんどが終われば満潮時に自然に炭の後始末が完了したとのこと。

子どもの頃はみんなふんどし姿で海で泳いだ。地御前にも貯木場があり、そこで兄に海に突き落とされ、生きる術として自然に(強制的に)泳ぎを覚えたそう。蓬莱岩から海に飛び込んで遊んでいた。

小学校の授業で遠泳があり、宮島から地御前まで泳いでいたという。途中で泳げなくなった児童は同伴の小舟で助け上げられた。海の遠泳で塩水を飲んでいたことも相まって、浜に着いて飲んだ甘湯が何と美味かったことか。

子ども会活動では近所家族ぐるみで宮島へ自分たちで船で渡り、海水浴をしたり、そこで漁師から買った獲れたて魚介を焼いて食べたりしたそう。